ぼんやりとした世界

小学生の頃から目が悪く、授業中メガネをかけていた。中学生になったら、目つきが悪いとインネンをつけられてはならぬと、今考えると何ともアレな理由で毎日メガネをかけるようになり、そうなれば二度と視力は元に戻らず、今では両目とも0.1すらない。
ずっと続けばそれは日常となり、メガネやコンタクトで矯正しても1.0あるかないかくらいの世界で長年過ごしている。はっきり見たくないものだってたくさんあるのだから、そんな世界でも構わないと思っている。
だけれど「もっと見られるのにもったいない!」と言われたことがある。その人も目が悪くて、もっとたくさん見たいものがあると言っていた。そしてキセルの「ハナレバナレ」を歌いながら、「忘れることなんかあるのかなあ」と言っていたのだけれど、いろいろあってすっかり連絡は途絶えてしまい、もう私のことなど忘れてしまったんだろうなあ、と何故かその人のことを最近ぼんやり考えることが多い。今なら「忘れることもないだろうし、ぼんやりしてない世界も割といいかも」と答えるかもしれないけれど、もう遅すぎるんだなあ。
ぼんやりとしていても、大切なことを見落としてはなりません。自戒。