太陽の塔

太陽の塔 (新潮文庫)

太陽の塔 (新潮文庫)

私が大阪の万博公園にある太陽の塔を敬愛していることを知る友人が以前、太陽の塔のミニチュアをプレゼントしてくれた。その友人に数か月前に薦められたのがこの「太陽の塔」。タイトルからしてアレだし、京都が舞台だし、何よりダメ男に惹かれてしまうような人なら絶対楽しめると言われる。ああ、そりゃ私のことですかと思いながら、京都へと向かう道中読んだのだけれど、読み進むごとにくすくす笑いながらも、物語へとぐいぐい引き込まれ、最後にはなぜか切なさ120%まで感情が振り切れてしまう。(ちなみにこの後見たキセルのライブで「眠る人」を聴いたときに、この小説を思い出して半泣きになったのだった)
あの読後感を忘れられず、1か月もたたないうちに再読してしまった。しかも再読なのに、新鮮で、最後は切ない気持ちになる。
この気持ち、一体なんなの、モリミー!と思い、他の小説も読んでみようと文庫版で今月発売になる「四畳半神話体系」を張り切って書店に買いに行くもどのお店にもない。田舎だからってそんなわけないよねえ、と思ったら25日発売だった。うっかりすぎる。が気持ちはおさまらず、結局古本で「夜は短し歩けよ乙女」を買ってしまった。本は文庫版のみという新年の誓いは一体どこへ・・・
そうそう、京都が舞台の「太陽の塔」は京大生が主人公なので、あの辺りの地理に詳しい人はより楽しめるかもしれない。かく言う私は先日あの辺りで迷子になったのだけれど、北白川別当の交差点あたりで「わああああ」と声を出しかけたのだった。