東京散歩
- 作者: 岡崎京子
- 出版社/メーカー: 小学館クリエイティブ
- 発売日: 2008/02/01
- メディア: 単行本
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この前日記で書いたら(id:cloudy3:20080213)、いきなり岡崎京子の新刊が発売されていて驚いた。新刊と言っても、20年前に「ヤングサンデー」で連載されていた作品が初単行本化したのだけれども。
主人公のキミドリちゃんが、許婚らしい吉太郎くんと、おばあちゃんの財産をもらうために東京の名所を回って写真を2人で撮ってくる、というお話。なんだそりゃ、と思うのは野暮です(笑)2人が行くのは、銀座や国会議事堂、中野、国立、原宿、江ノ島、青山墓地、井の頭公園、神田。私は大学からしばらく東京で時を過ごしたけれど、私にとっての東京の原風景は、岡崎京子の描く東京が全てだったように思う。この本を開くと、私が憧れた東京がそこに広がっていて、何となく胸が痛む。
そういえばこの本の解説で、藤本由香里氏が岡崎京子の本質をついているのは「ジオラマボーイパノラマガール」で、「バナナブレッドのプディング」の行が出てくる箇所だと思っている、と指摘していて、興奮を隠しきれずにいる。本質をついている、とは思ったことがなかったけれど、そのシーンのことを私は何故だか思い出さずにはいられないのだ。うまくは言えないけれど。そうか、こういう気分のときこそ私も「バナナブレッドのプディング」を寝る前に読むべきなのかもしれないな。