ぐうぜんのいっち
- 作者: 柴崎友香
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2006/03/04
- メディア: 文庫
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ここ1ヶ月ほど関西方面にばかり出かけているせいか、関西が舞台の小説を好んで読んでいるように思う。そんなこんなで週末の大阪旅のお供に選んだのがこの本。
タイトルに惹かれて読んだのだけれど、2編から成るこの小説の文中に出てくるバンドの名前に驚いた。1篇目の「次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?」ではYO LA TENGO、2篇目の「エブリバディ・ラブズ・サンシャイン」ではSPIRITUALIZEDにATARI TEENAGE RIOT!!!!
Spiritualizedとアタリは主人公がライブに行った様子が織り交ぜられているのだけれど、Spiritualizedに関しては私も行った心斎橋クアトロでのライブのことが少し描写されていて、あああのライブは本当にすごかったなあと思い出したり。このまま新幹線に間に合わなくともいいか、と思っていた。
アタリに関してはサルカルにて9mmさんがライブ始まりのSEで使っていて連れと大爆笑した後(そしてライブの勢いはアタリには敵わなかったように思う)にこの小説を読んだので、多分2008年のこの週末世界で一番私がアタリのことを考えていた気すらする。
ちなみに私は柴崎友香さんのことを一時期、単なる雰囲気作家だと誤解していた時期があり、そんな自分を恥じたい。文章間の絶妙な間、言葉は少ないのに確実にこちらに場面・心情を伝える描写力、本当に素晴らしいなと思う。他の読んでいない本も絶対読むことにする。