「精神」

早起きしてシネマクレールへ。映画「精神」を見てきました。「ウィークエンドシャッフル」のポッドキャストで想田監督と宇多丸さんの対談を*1聞いて以来、公開を心待ちにしていました。
「精神」は岡山が舞台。しかも昨日と今日の初回には想田監督と映画に登場する山本医師、患者さんの座談会が開催されることもあって、クレールのロビーは今まで見たことないくらいたくさんの人!2日とも2スクリーンを使って上映されたそうです。
精神科診療所というカーテンで閉ざされた未知なる場所を「観察映画」という名のもと、BGMもナレーションもテロップもなく映し出していくドキュメンタリー映画。2時間15分の上映時間の長さは全く感じない。ドキュメンタリーは、性質としてそれを撮った人の何らかのバイアスというかメッセージみたいなものを感じざるを得ないけど、この映画では多少のそれは感じるものの、映画が進むにつれ、患者さんの言葉、様子に対峙する自分自身をそれよりも強く感じるようになっていく不思議。ここで病人とされている人たちと自分との違いはいったい何だろう。
映画後に座談会。「超精神者」という言葉、観察し続けることによっておこる違ったものの見方、他人は他人、それはどうしようもできないのだから、簡単ではないけれどひたすら自分との会話を続ける、といったことが心に深くつきささりました。

想田監督のポッドキャストを聞いて思い出すのは森達也さんのこの本。

職業欄はエスパー (角川文庫)

職業欄はエスパー (角川文庫)

東京で2人の対談があるそうですね。行ける方が本当にうらやましい。

ノーモア積ん読!を胸に生きていますが、これは買います。読みます。

精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける (シリーズCura)

精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける (シリーズCura)